知らない声が聞こえる

知らない声が聞こえる

知り合いのNさんの話を一つ。

幼い頃は母親に手を引かれ、よく買物に出かけたとの事。手を引かれて街を歩いていると、時々自分の名前を呼ば  れたり、「そっちにいっちゃだめよ。」とか「今のうちに道路を渡りなさい。」など、注意を促す声。

そして「今日は暑くなるよ。帽子をちゃんとかぶって。」、「向こうから○○君が来るよ。」など、ほんの一瞬の未来を予知した声が聞こえてきたらしい。特に晴れた風のある日にそのような現象が多くあったと話されていた。

しかし、声の主には一度も会った事がない。声は耳元で、時には道路の向こう側から。

声は男性、女性、様々だったが、共通していたのは全て大人の声だという事。

その声は、年齢(中学生)が上がるにつれて聞こえなくなったという事だ。

大人になってから、Nさんは、自身のこうした体験は「幻聴」と呼ばれ、病気の症状でも現れる可能性を知った。

主に統合失調症やPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの病気や薬物中毒によって引き起こされるという事を知った。

自分もそうであったのか?とても不安になり、検証してみたそうだ。自身の経験から薬物中毒という事はない。

従って、この選択肢は消える。

残る二つの病気に罹患した可能性はどうか?少なくとも、PTSDなどのストレス障害などにみまわれた可能性は無い。

残る統合失調症は?

この病気の特徴である、圧迫や切迫感、恐怖などを感じる「声」ではなく、Nさんには寧ろ心地よく、

自身を守っていてくれたという実感があったそうだ。

やがてその声が聞こえなくなった時には、不思議と「これからは自分で自分を守らなければ。」という認識が自然にできた。

Nさん自身、その期間とその後を含めて、精神的にも肉体的にもその事で悩んだり、苦痛を感じた事がない。

なので、そのような病気だったとは思えない。更に言えば、その時分に両親が子供の精神的疾患の可能性を

疑ってはいなかった。若干の「不思議ちゃん」程度の認識だったようだ。

決定的な事は、精神内科への受診も行ったが、受診の結果、特に異常は見られなかったという事である。

では、その声の主たちは一体、なんだったのか?どの様な因果があったのか?今になっても謎のままである。

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