おんぶ

私が、高校3年生の時です。私は進学校に通っており、大学受験の為に、毎晩勉強に励んでいました。
そんなある日、私は勉強の途中に、何時の間にら机に突っ伏して寝てしまっていたようです。
うん…? 寝ちゃった?と思った瞬間、私はびっくりしました。
部屋の中が赤いのです。しかも、机に突っ伏しているのに、部屋全体を見渡せます。
え?なんで?
いつもの自分の部屋とは思えませんでした。
しかし、更に気になる事がありました。
誰かが私におぶさってる…
両肩に手… 腰の辺りに足…
その感触が痛いほど分かります。
と、同時に、耳元でセミの鳴くような音が耳をつんざきました。
まるで子供が泣き叫んでるような…
私は誰をおぶってるんだろう?
何故、部屋中が赤いんだろう。
怖くて必死でした。
しかし、身体は動きません。
どうしよう…。

私は恐怖でいっぱいでした。
南無阿弥陀仏と唱えてみても、役に立たないし、その状況は何時間にも思われました。私は背中の者の片手、片足ずつ引き離そうとしました。
お願い、どこかに行って…
どれだけの時が経ち、どれだけ恐怖に
耐えたでしょうか。
意外にも、背中におぶさっていた者が、スっと離れていきました。
私は、暫く呆然としてましたが、
急に、恐怖のあまり居間に行って、母親に今起きた出来事を話しました。
返ってきた言葉は、
「 あんた、夢見てたんじゃない?
それより、勉強しなさい。」
でした。
私は、恐る恐る自分の部屋に戻りましたが、部屋は赤くもないし、机に広げてあったノートに、私のヨダレがついてただけでした。
時計を見ると20分程、経ってました。
私には、2時間の様に感じましたが。
コレが一体、何だったのかは、今も謎です。
しかし、これは始まりでした。
ここから私の奇怪な体験は、続いて行くのです。
事実を、正確に述べましたので、もっと
恐怖を味わいたかった方、申し訳ありません

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